保険商品の予定利率。運用収益分を見越したうえで、その分が割引かれたのが保険料

金融商品に多少の知識がある人なら、保険商品を通じて集められたお金は何らかの形で運用されているというのは知っていると思います。

そういった人たちの中には予定利率という言葉を正しく理解していない人もいます。

「予定利率」はたくさんの保険加入者から集められた保険料を運用するときの利率です。

しかし、予定利率は預貯金の利率のように一定期間の後に受け取る解約返戻金などを計算する時の利率とか少し違います。

予定利率が1%の時、100万円の保険料を払って5年後に解約したら解約返戻金を105万円貰えるというものではないのです。

予定利率は割引債券の割引率に近いものがあります。

将来、保険料をこのぐらいの利率で運用できると思うので、払い込む保険料はこのぐらい割引します、ということです。

簡単にいえば、

「この保険に入ります。何かあった時には1000万円を保険金として欲しいです」

という人に対して、保険会社が「わかりました。

払い込んでいただいた保険料は年1%で運用させてもらいます。

その運用益の分は、払い込んでもらう保険料から差し引いてあげます」といった感じです。

私達が払い込んでいる保険料は、もうすでに運用収益分を見越したうえでその分が割り引かれているのです。

高いほど予定利率は有利

保険商品の構造ですが、まずは保険加入者が払った保険料から事務経費が差し引かれます。

その残った金額を、加入者が入院した時に支払われる入院保険金や、満期になった時に受け取れる満期保険金、もしくは年金保険加入者に支払う年金の準備として積立てられます。

こうした支払いの準備を「責任保険金」といい、予定利率はこの責任保険金を運用するために適用される利率ということになります。

もちろん、予定利率が高ければ他愛ほど保険加入者の条件はよくなると言えます。

満期保険金や年金の額が増えるということではなく、支払う保険料が少なくてすくことになるのです。

予定利率があがれば払う保険料は少なく、さがれば保険料は上がるということです。

保険会社が破綻に追い込まれるケースも

保険料は、有価証券投資(株式や債券)、企業への貸し付けなどによって運用されています。

ですからもちろんのこと、株価や金利の上下動によって実際の運用利回りは上がったり下がったりしています。

なので、運用利回りが予定利率と常に同じになるというわけではありません。

予定利率と運用利回りの差のことを「利差益」と言います。

運用利回りが予定利率を上回れば、利差益がでているので問題はありません。

しかし、株価が下がったりしたことで運用利回りが低下し、予定利率を下回るケースもでてきます。

こうなると利差益が発生していますが、保険会社にとっては損失になるので、予定利率を引き下げる動きがでてくることになります。

バブルが崩壊した後は、株価が急落し、ゼロ金利政策があったため、運用利回りが予定利率を下回る状態になりました。

このせいでいくつかの保険会社が経営破綻に追い込まれたのです。

現在ではその問題は解消し保険業法の改正もおこなわれました。

以前は保険会社が破綻しない限りは予定利率の引き下げは認められていなかったのですが、法改正後は政府に認められれば破綻する前でも予定利率を引き下げることができようになりました。

保険会社が自分勝手に予定利率を下げれば、加入者が不利益を被りますので、予定利率を下げるような場合は会社の経営存続が厳しい状態の時という条件があります。

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