信用に対する不安と金利の関係性

信用力が低くなると、お金を貸してくれる人はいなくなります。
あなた本人も、信用できない人にお金を貸したくないでしょう。お金を借りるなら、相手に信用してもらわなければいけません。
そのような状況でも資金調達をするのであれば、金利引き上げは避けられません。
これを、リスク・プレミアムといいます。

信用力が低くなると金利が上昇し、高くなると金利は下がる

近年、高金利の国の通貨を運用する個人が増えています。
特に代表的な通貨は、オーストラリアドル・ニュージーランドドルなどが挙げられます。
また、最近はトルコリラ・南アフリカランドなど、代表的ではない通貨も注目されています。

これらの通貨を運用する理由としては、日本円での運用よりも高金利を得られる事が見込まれる点にあります。
しかし、高金利の通貨を運用しても、通貨安が高い分を調整してしまいます。
そのため、高金利の通貨を運用する事は、必ずしも有利であるとは断言できません。

このような面はありますが、年間10%程度の利率を提示されると、疑問を抱く事なく有利だと思い込んでしまうでしょう。
高金利は、必ず相応の理由が潜んでいます。
特に、信用力の問題が目立ちます。

信用力が低くなると、金利引き上げが行われます。
信用力がないという事は、貸し付けたお金が回収できなくなる危険性を伴う事を意味します。
自分の大切なお金を貸し付ける以上、回収できないとなると、誰でも困惑してしまいます。

そこで、借り手側は、「支払う金利を増やすので、お金を貸して欲しいのです」と交渉してきます。
リスクの高さに応じて、金利を上乗せします。
貸し手側にとっても、―般的な金利水準より効率的に金利収入が得られるという事になります。
そのため、多少のリスクは承知の上で、応じる事も考えられます。

こうして、信用力の低下は、金利上昇を招きます。
反対に、信用力が高くなると、金利低下を招きます。
これは、債券の格付け問題が密接に関係しています。

債券金利は信用力で決定される典型的な例

債券は、資金調達をしたい政府や一般事業法人などが発行している、有価証券の1つです。
元利金の支払いは、発行元によって保証されています。
ところが、発行元が財政破綻状態になると、元利金の支払いが見込めなくなるデフォルト・リスクの危険性が高まります。

債券購入者としては、その債券のデフォルト・リスクがどの程度であるかを、当然ながらあらかじめ把握しておきたいと思うでしょう。
デフォルト・リスクを把握する基準として、債券格付けが設けられています。
債券格付けを行っているのは、スタンダード&プアーズやムーディーズといった格付け会社です。

そして、格付け会社による格付けは、金利水準に多大な影響を及ぼすケースもあります。

2009年5月、スタンダード&プアーズは、イギリス国債の長期信用格付けの中期見通しについて“安定的”から“ネガティブ”へ引き下げました。
この影響により、アメリカ国債の格下げが噂され、価格下落の要因となりました。
債券価格の下落は、長期金利上昇を招きます。

アメリカ国債の利率は、2008年12月時点で2.546%まで下がった後、上昇に転じました。
2009年6月10日時点では、4.750%に達しました。
サブプライムローンショック発生後の景気対策により、アメリカ国債が増発され、財政赤字は拡大していきました。
これは、アメリカ国債がもつ信用力の低下が予想されたためです。

日本も同様の実例が起きています。
2003年以降の景気拡大により、日本国債の格付けは、やや引き上げ傾向にありました。
ところが、2007年以降の景気後退を機に、景気対策から国債発行が増加しています。
財政赤字の拡大の兆候が見られます。

2001年には、日本国債の格付けは段階的に引き下げられました。
最終的に、ムーディーズによる格付けは、Aa3まで下がったのです。

このように、長期金利は格付けの引き下げが噂された時点で、上昇圧力がかかる傾向にあります。

債券格付けの意味を把握する

債券格付けの表現は、アルファベットと数字を組み合わせたものになっています。
格付け会社による差はあるものの、基本的には同様の意味です。
ムーディーズの場合、最上級のAaa(トリプルエー)から、最低のCまで、9段階の表示があります。

また、それぞれのカテゴリーのうち、1~3の補助記号が付きます。
カテゴリーのうち、1は上位・2は中位・3は下位の意味を持っています。
例を挙げると、Aa1・A2・Baa2などの表示があります。

ムーディーズでは、Baa(ビーダブルエー)までが、投資適格といわれています。
ある程度の投機的要素を含みますが、債券償還まで、元利金の返済が滞るリスクは低いものとされます。

Ba(ビーエー)になると、投機的格付けといわれるようになります。
債券が償還される前に、元利金の返済が滞るリスクが高いという事になります。

ただし、リスク・プレミアムに相当する分が、利回りに反映されます。
そのため、Baa以上の債券と比較すると、有利な利回りを得る事が可能です。

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